国や自治体への働きかけ政策提言

民主党とSTS関係団体の懇談会をきっかけに新たな一歩を

12月3日に、民主党との「STS推進に関する意見交換会」が行われました。参加者は、日本移送●移動サービス地域ネット連合会、日本アビリティーズ協会、全国移動ネット、移動支援フォーラム、市民福祉団体全国協議会の理事や会員など17名で、民主党からは、企業団体局と大河原雅子議員を中心に、金田誠一議員、前田武志議員(企業団体委員長)、小川勝也議員、高橋千秋議員、大島九州男議員、小宮山泰子議員、が出席されました。

これまでにも民主党議員との意見交換は何度か行われてきましたが、今回は超党派の政策提言活動の第1回と位置づけ、非営利移動サービスを取り巻く課題を提起しました。出された主な意見は以下の通りです。

●障がい者は、経済的自立や就労を求められても、そもそも通勤手段が確保できない。福祉有償運送も、利用者にとっては利用料が高額である。どのような障がいを持っていても、障がいのない人と同様の生活を送る権利があるという前提にたち、いかなる事項についても不利益を被らないよう施策を講じるのが国家の責任。障害者差別禁止法の成立と、移動の権利を保障する施策の実施を求めたい。 

●福祉有償運送団体は、タクシーの1/2という対価設定ではサービスの継続が難しい。加えて、タクシーをベースにした制度設計によって活動が萎縮、減退している現状がある。バスや電車を利用したいのにできないという人に対して、本来は利用料金をバスや電車並み、ないし2倍位の値段で提供したい。幅広い住民の参加を得て地域の課題を解決するという観点から市民活動をもっと推進する、具体的に移動支援サービスを推進する法律も必要である。

 ●地方では、STS以前に、バス会社の経営不振など、地域の公共交通のインフラ自体が傷んでおり、すべての人に移動の権利を保障する法制度が必要になっている。まずは公共交通をより一層多くの人に使いやすいものに、改善していくべき。それでも利用できない人のために、移動制約者保護を中心に据えて公共交通やNPOを位置づける「STS法、STS基本法」のような法律が必要ではないか。財源確保のためにも、根拠法が必要と考える。

●介護事業を行っている団体や事業者が、移動・外出においても拠点の役割を果たしていくと思われる。介護保険、障害者自立支援など介護、福祉の面から、移動●外出の制度的な整備が必要である。

●ボランティア活動を支援するための税制や、地域公共交通再生活性化法など関連する現行法制度を活用して、状況を改善する方法も検討、推進したほうがよい。

大河原議員からは、民主党は、交通基本法の制定を提案しているが、「移動権」のブラッシュアップをしていきたい」という決意表明があり、また、「今日を第一回として、今後も、回を重ねていきましょう」という提案がありました。 根拠法によって財源が確保できるのか、タクシーやNPOなどの担い手が義務を負う法律になるのか、移動支援サービスを推進する法は何を規定するのか、登録不要の市民活動は推進できるのか、など参加者の中でもまだイメージが共有できていませんが、全国移動ネットでは、いずれも推進する方向で、非営利の移動サービス関係者間での協議を重ねていく方針です。課題整理と提案はこちらから