全国移動ネットでは、「福祉有償運送の対価に関する調査」を、福祉有償運送団体を対象に実施しました。ご協力くださったみなさま、大変ありがとうございました。
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調査結果では、「運送の対価」または「運送の対価以外の対価」の値上げをしたかどうかという設問では、「対価を変更していない69%」、「値上げした13%」、「値上げを検討中または申請中16%」、「その他2%」という結果になりました。
変更していない理由としては、利用者負担を考慮したという記述が多く、継続に不安があるものの値上げもできない状況が浮き彫りになりました。
<調査の概要> ※以下、報告書本文より抜粋
(1)調査目的
2023年12月の制度改正(通達「自家用有償旅客運送者が利用者から収受する対価の取扱いについて」)を受けて、自家用有償旅客運送の「運送の対価」についてはタクシー運賃の概ね「5割」から「8割」に目安の割合が引き上げられた。また、タクシー事業に関する制度改正も行われ、「日本版ライドシェア」「自治体ライドシェア」の導入によって白ナンバー(自家用車)による有償運送が大きく拡大してきている。
その一方で、高齢者や障がい者などの身体的・精神的な要因等で移動困難となっている人への白ナンバー有償運送である「福祉有償運送」の登録数が減少傾向にある。このような状況の中、今回の調査では以下を目的に掲げて全国の福祉有償運送団体に調査協力を依頼した。
<調査目的>
・福祉有償運送の「運送の対価」等の設定の実態と、変化の有無、今後の見通しを把握する
・値上げの意向や、値上げ後の事業継続の見通しを把握する
・地域、事業形態などの違いによって、対価設定や値上げの状況に違いがあるかどうかを把握する
・これらの結果をまとめて、国や自治体向けに、問題提起を行う
(2)調査対象
2024年7月時点で全国の運輸支局や県庁のホームページに掲載されている福祉有償運送登録団体事業所数2,498ヵ所に調査協力を依頼した。
(3)調査方法
調査対象事業所2,498ヵ所に対して、郵送による調査依頼を行うとともに、調査事項に対してはwebでのGoogleフォームを活用して回答する形式とした。また、郵送以外にも、全国移動ネットのメールマガジンや地域ネットワークにも調査協力に関する広報を展開した。
(4)調査期間
2024年11月から2025年1月まで。
(5)回答事業所数及び回答率
全国の福祉有償運送事業所から892の回答を得た。回答率は35.7%。